三浦&市橋組ペア解消…フィギュアスケート日本ペアが育たない理由とは?

こんにちは。

フィギュアスケートを愛してやまないブロガーのAikaです。

海龍ペア(須崎&木原組)に続き、りくしょーペア(三浦&市橋組)までも解散…

ペアってどうしてこんなに解散が多いの?

そう疑問に思っている方も多いでしょう。

 

日本で短期間のペア解消が多いのはなぜか?

歴代ペアの解散からその理由を探ってみました。

 

フィギュアペア日本代表の三浦&市橋組解散…

 

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2019年7月24日、三浦&市橋組ペア解消のニュースがしれっと発表され、強化選手から名前が無くなりました…。

彼らのペア解消理由についてはこちらの記事で検証しています↓

りくしょーペア解散…二人の間に何が?

※2019年7月26日21時頃発表された追加情報記載済み

 

須崎&木原ペアが解消し、三浦&市橋組がシニアに上がり、「これからの日本を担うペア」として期待された矢先の解散でした。

これで日本で国際試合に派遣されるペアがいなくなった…ということで一部で話題になりましたね。

 

一国を担うペアが自分たちだけ、という状況には彼らも相当な重圧を感じていたことでしょう。

しかし、今後を期待されたペアの解消はりくしょーだけでは無いのです…

次からは活躍していながらペア解消してしまった日本のスケーターを見ていきます。

 

【追記】三浦選手が木原選手と新ペアを結成しました!

三浦璃来&木原龍一の新ペア誕生!ペア解消からペア誕生の背景

 

あの人もこの人も…解散した歴代ペア

日本フィギュア界でペア解消というのは過去にも多くありました。

特に近年、活躍していながらペア解消という結果になってしまった3組のペアをご紹介します。

 

「ユーリ!!! On ICE」で一世を風靡 須崎&木原ペア

平昌オリンピック出場ペアの須崎&木原組の解散。

記憶に新しい人も多いでしょう。

可愛らしい須崎海羽(みう)選手と優しい木原龍一選手は”海龍”の愛称で親しまれていました。

同じ中京大出身で7歳差の先輩後輩関係にある二人。

 

平昌オリンピックのSP(ショートプログラム)ではアニメ「ユーリ!!! On ICE」の曲で滑り、海外でも話題になりました。

結果は21位で惜しくもフリー進出の上位16組にはなりませんでしたが、多くの人を魅了したことは間違いありません。

 

全日本選手権では2017年、2018年と二度の優勝を飾っています。

2018年には木原選手が練習中の転倒で脳震盪を起こしてしまい、四大陸選手権、世界選手権を棄権という苦渋の選択をしていました。

シーズン終盤には木原選手の「肩の治療に専念したい」という意向もあり、2019年4月8日にペア解消が発表されました。

「日本を担うペア」としてケガを抱えながらも頑張ってこられたのだと思うと、痛ましいです。

木原選手が「治療が終わればペアに復帰したい」という意向を表明されているのが救いですね。

現在は三浦璃来選手とペアを組み、競技に復帰されています。

NHK杯2019では5位と健闘しました!

 

ソチオリンピックの救世主 高橋&木原ペア

ソチオリンピックに向けて結成された高橋&木原ペア。

高橋選手はマーヴィン・トラン選手とのペアを解消したばかりで次の相手を探していたところ、トライアウト(ペアのお試し)で出会ったのが木原選手(当時はシングル)でした。

これにはなかなか運命的なエピソードがあり、話題にもなりました。

木原は当初ペア転向を希望してはいなかったがトライアウトを受けるように連盟から呼ばれていた。

高橋はトライアウトのお手本役として参加しており、木原とホールドをした時に手の感触がマーヴィン・トランと似ていると感じ、連盟も木原を説得に動き出した。

Wikipedia

シングルを辞めることについては木原選手も悩んだようですが、「五輪を目指すというのは今しかできないこと」とペア転向を決意されました。

それから急ピッチでペアの技を叩き込んで行った木原選手の苦労は相当なものだったでしょう。

当初はリフトでそっとそっと…と丁寧に持ち上げて下ろすようにしていたのが印象的でした(笑)

平昌の頃には高々とリフトされていて「こんなに立派になって…」と思ってしまいましたね。

ソチオリンピック団体戦、個人戦共に出場しました。

団体戦ではSP8位、FS5位で日本の総合5位に貢献。

(ペア不在だとその分得点が0点になってしまうところでした…)

個人戦では総合18位で惜しくもフリー進出はなりませんでしたが、約2年でペアとしてここまで仕上げただけでも本当に凄いことです。

2014年のソチオリンピックが終わった後、残念ながらペア解消が発表されました。

しかし、高橋選手は柴田選手と、木原選手は須崎選手と新たにペアを組めたので結果的には良かったと思います。

※高橋成美選手は2018年3月に現役引退

 

日本初の世界選手権メダリスト 高橋&トランペア


日本フィギュア界でペアが一気に注目され始めたのは高橋&トランペアの活躍から。

笑顔で元気一杯の高橋選手と優しげなマーヴィン・トラン選手。

2008年にはたった1組の全日本選手権ペア(4年ぶり開催)の出場者でした。

つまりそれまで4年間、日本にはペアがほとんどいなかったのです。

 

2011年にはスケートカナダで4位、NHK杯銀メダルで日本初、ペアのグランプリファイナル出場。

その後の世界選手権では銅メダルに輝き、シニア日本代表ペアに初のメダルをもたらしました。

それまでほとんど中継すらされなかった日本ペアが連日ニュースで話題になったのもこの頃。

日本フィギュアペアの立役者ですね。

しかし、マーヴィン・トラン選手が日本国籍を取ることができず、次のソチオリンピック出場は厳しくなります。

互いの方向性の違いもあり、2012年12月にペアを解消しました。

その後、トラン選手も高橋選手も国内でペアの相手を見つけることになります。

 

シングルよりペアは大変!?日本でペアが続かない理由


3組のペア解消の実例を見てきました。

彼らのペア解消理由や日本フィギュア界全体の課題も踏まえると、日本でペアが続かない理由が見えてきました。

ここから導き出した5つの”ペアの壁”についてお話しします。

 

ペアの壁1.不足する練習環境

日本では圧倒的にフィギュアスケートの練習環境が不足しています。

ペアは男性が女性を持ち上げるリフトやスロウジャンプといった大技があり、シングル以上にリンクを広く使う必要があります。

 

しかし、日本は雪国でもないのでスケートリンクの数が少ないです。

有名なシングルの選手ですら国内での練習場所に困っていますが、連盟も活躍してほしい選手の練習場所を優先的に確保しようとします。

ペアは日本でまだまだ知名度が低いのが現状です。

そのため、須崎&木原ペアのように、海外に練習拠点を置くことが多く、シングルよりもさらに費用がかかります。

練習場所の不足が経済的負担にもつながってしまうんですね。

 

ペアの壁2.シングルの活躍がめざましすぎる

日本でシングルスケーターの活躍がめざましいのは喜ばしいことです。

ですが、その陰にペアの課題もあります。

シングル選手は活躍するからこそ「羽生選手のようになりたい!」「紀平選手のようになりたい!」と憧れて始める人も多いでしょう。

 

しかし、ペアはそもそも中継すらされないことが多いのです。

オリンピックを目指しての突然のペア転向で一躍時の人となった木原選手などは稀な例で、メダルを取らなければ話題にもならないことがほとんど。

 

最近ペア解消を発表したりくしょー組の市橋選手は最新のインタビューにおいて、「自分たちが弱いと次のペアが出てこない」と話していましたが、これはあながち間違っていないのです。

 

残念ながら日本スケート連盟はあまりお金がないので活躍しているシングル選手などに強化費用が回りがち。

シングル以上に経済的負担が大きいペアやアイスダンスの支援はまだまだ不足しているのが現状です。

 

ペアの壁3.危険と隣り合わせの競技


氷上の美しさがクローズアップされるフィギュアスケートですが、危険と隣り合わせの競技でもあります。

特にペアは氷の上で女性を持ち上げたり空中で回転させたり…といった大技が多いので、シングル以上にケガや事故の危険が高いのです。

実際、木原選手も長年のケガに悩まされています。

 

日本に限らず「ペアをやりたい!」という選手はシングルに比べればなかなかいないのが現状です。

特に女性を持ち上げたり投げ上げたりする側の男子選手は自分自身のケガのリスクも高いですが、女性にケガをさせてしまう危険とも隣り合わせです。

一般的にも女性にケガをさせてしまったら責任を問われます。

男子選手の親としては気が気でないので、本人がペアをやりたくても親が反対するケースも多いのです。

 

ペアの壁4.男子選手の不足

先ほどの危険と隣り合わせなことに加え、そもそも男子選手の数が不足しているというのもあります。

全日本選手権の地方予選では男子選手はシングルでも定員割れなことが多いです。

 

特に、ペアができる男子選手というのは厳しい条件があります。

女性をホールドし、高々と持ち上げるためにはある程度体格がいいことが必要です。

ペアはアイスダンス以上に「男性が女性をリードする」という要素が求められるため、男女の身長差というのも大きく関わってきます。

具体的にいえば男性は大きく、女性は小さい方がいいわけです。

 

日本は小柄な女性が多いという点ではペアに有利ですが、男性も小柄なのがネックです。

ただでさえ少ない男子選手の中から大柄で力もあって…となると、さらに限られてしまいます。

そのため、高橋選手や須藤選手のように外国人男性と組むことも多いです。

 

ペアと同じくカップル競技のアイスダンスでは、ノービス時代にカップルを組んでいても唐川常人選手のように、「やっぱりシングルでやりたい」と転向する例もありました。

ペアの競技者不足、特に男子選手不足の問題は想像以上に根深いのです。

 

ペアの壁5.国籍問題


ペアの男子不足から派生しているともいえる国籍問題。

このためにペア解消を余儀なくされた選手は何人もいます。

体格差を考えれば小柄な日本人女性と大柄な外国人男性が組むのは合理的です。

 

しかし、オリンピックにおいてはお互いが代表国の国籍を持っている必要があります。

そのため、世界選手権などでは活躍できたペアでも日本国籍を取れずにオリンピックに出場できないことが多いのです。

特に日本は安全面の問題から国籍取得のハードルが厳しくなっています。

日本在住の年数なども関係してくるため、海外に拠点を置くことが多いペアの選手は条件クリアが難しいのです。

 

2016年の須藤澄玲&フランシス・ブードロ・オデペアのように、日本トップの実力がありながら国籍問題でオリンピックに出場できないことがわかっていても日本の出場枠確保のために世界選手権で頑張る、という涙ぐましい例もあります。

 

実力があっても国籍の壁に阻まれる選手が多いのは悲しいですね。

 

フィギュアペア日本代表、今後の希望は?

一旦はペア不在となった日本。

しかし、三浦&木原組という新ペアが誕生し、NHK杯では結成3ヶ月で5位に入るという快挙を成し遂げました。

 

水面下では連盟が必死にトライアウトをしているとのことですから、新ペア誕生の可能性も十分ありえます。

 

市橋選手も元々「日本フィギュア界でペアを普及したい」という考えの持ち主ですから、きっと競技に復帰してくれるでしょう。

 

木原選手とペア解消に至った須崎選手もまた、デトロイトでペア選手として練習を続けており、パートナー探しを続けています。

 

こう考えると日本ペアの未来は決して暗くはありません。

三浦&木原ペアの躍進と、新ペアの誕生を心待ちにして応援していきたいですね!

 

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Posted by Aika